マルチセーフティボードは、横浜市消防局との共創事業により誕生した消防水利用の転落防止器具です。消防隊員の現場の声を形にした資機材です。地下式消火栓はマンホールと類似した構造を持ち、開栓中はホース挿入口の周囲に隙間ができ、そこへ隊員や通行人が転落する事故が現場で報告されています。弊社は、これまで多くの消防用鉄蓋を製造・納入してきた実績から、横浜市消防局と連携し転落防止器具の開発に取り組みました。
しかしながら従来の鋳物素材では、出動時の携行性・重量・操作性に課題があり、鋳物では対応困難と判断。それでも「人命に関わる現場課題にこそ応えるべき」と考え、創意工夫と試行錯誤のもと、鋳物にこだわらない新たな素材と製法の模索を開始しました。

FDM方式、射出成形、木材、発泡素材…
さまざまな素材と加工法を比較検討した末、最終的に「粉末床溶融結合方式(PBF方式)の3Dプリンター」とステンレス補強材によるハイブリッド構造に到達。開発期間は約3年。軽量かつ高強度、携行性に優れた折りたたみ式構造を実現し、正式に「マルチセーフティボード」として製品化しました。
消防隊員が装備を身に着けたまま踏み込んでも安心して使用できる十分な強度を確保。本体には内部補強としてステンレス板を内蔵し、さらに背面にハニカム構造を採用することで耐久性を大幅に向上させています。厳しい現場を想定した強度試験を経て、公共の安全資機材として信頼できる仕様となっています。
折りたたみ式でコンパクトに収納可能。軽量で持ち運びも簡単。取っ手付きの設計により、隊員一人でも運べ、すぐに展開可能です。また、新旧の消火栓のどちらにも対応してります。どの消防水利においても、給水操作やスピンドル操作に干渉しない構造となっております。限られた現場スペースでも安全かつスムーズに展開でき、携行から設置までの操作性にも配慮しています。
折りたたんだ状態
展開時- 準備中 -
「実際に手に取って確認したい」「現場で試してみたい」など、
マルチセーフティボードのデモ体験のご相談も承っております。導入をご検討中の消防本部・自治体・施設管理者の皆様は、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。